【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力
2024/07/07
【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力
こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。
海開き最初の日曜日ということもあって、鎌倉はとてもにぎわっているようです。
最近は、混雑状況とかもネットで調べられるんですね。
ちょっと外に出るのを躊躇してしまいました。
さて、今回は認知症の介護をするうえで最も大変な暴言・暴力の問題についてお伝えしていきたいと思います。
認知症の人の中には、以前とは人が変わったように暴言を発するようになることがあります。
というのも、認知症では理解力や判断力が低下するため、自分の思ったことをうまく伝えられない、自分が思うようにうまくできないなどイライラしやすい状況にあります。
そこに何らかのきっかけが加わると「怒り」となり、暴言を発してしまいます。
とはいえ、対応する側としてはいくら病気のせいだと分かっていてもなかなか大変です。
認知症の原因疾患によって、暴言・暴力の症状も違ってきます。
今回は、病気による違いについてお伝えしていきます。
前頭側頭葉型認知症
前頭側頭葉型認知症は、徐々に脳の一部である「前頭葉」や「側頭葉前方」の神経細胞が減って萎縮してくる病気です。
脳の中で、前頭葉は「人格・社会性・言語」を、側頭葉は「記憶・聴覚・言語」を主につかさどっています。
そのため、前頭側頭葉型認知症を発症すると、これらが正常に機能しなくなるため「本能の赴くままに行動」するため、他のタイプの認知症の方よりも興奮による暴言や暴力が多くなります。
病前は穏やかな人であったとしても、この病気になると自分の思い通りにならないと暴言・暴力をふるう、社会性に反した行動をとることがあり、人格の変化から病気に気づくということもよくあります。
レビー小体型認知症
レビー小体と呼ばれるタンパク質が脳の特定部位に蓄積して生じる認知症です。
この認知症は、幻視・幻覚・妄想が生じやすい病気です。
よりリアルな物や人物が見えるため、それらに対して恐怖を感じて感情が高ぶり、暴言が出やすいのです。
脳血管性認知症
認知症の種類の中でも2番目に発症割合の高いもので、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害で発症した認知症です。
障害が発生した部位が感情のコントロールを行う前頭葉の場合、怒りや悲しみが現れやすく、自分の感情をうまく制御できず、イライラしやすくなり、暴言・暴力につながりやすくなります。
アルツハイマー型認知症
認知症の種類で最も発症割合の高い認知症です。
アミロイドβとタウタンパクと呼ばれる異常なタンパク質の蓄積が原因で発症します。
異常なタンパク質の蓄積により神経細胞が障害され、理解力や判断力の低下、感情コントロールの低下を生じ、暴言症状が現れます。
アルツハイマー型認知症では症状が進行した際に暴言を発しやすく、身近な人に現れやすいという特徴があります。
また、睡眠障害を併発しやすいため、その影響から暴言に発展する方も少なくありません。
各疾患における暴言・暴力の特徴についてお伝えしました。
次回は、認知症の人が暴言・暴力に及ぶ原因についてお伝えします。
では、暑い日が続きますが、水分をしっかりとって乗り切っていきましょう。
よい一日をお過ごしください。
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認知症については、過去のブログ記事も参考にしてください。
- 認知症とは
- 認知症の原因 薬剤誘発性認知症
- 認知症の症状 その1
- 認知症の症状 その2 中核症状 記憶障害
- 認知症の症状 その3 加齢による物忘れと認知症の物忘れの違い
- 認知症の症状 その4 中核症状 見当識障害
- 認知症の症状 その5 中核症状 判断力低下
- 認知症の症状 その6 中核症状 失語症
- 認知症の症状 その7 中核症状 失行
- 認知症の症状 その8 中核症状 失認
- 【認知症の症状】その9 周辺症状
- 【認知症の症状】周辺症状 失禁・弄便
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