なぜ今、認知症予防が重要なのか
2024/02/14
その結果はどうだったでしょうか。
あれから50年以上たった今、さらに高齢化が進んでいます。
提示したグラフは、
2020年までは、総務省「国勢調査」(2015年および2020年は不詳補完値による)
2022年は総務省「人口推計」(令和4年10月1日現在確定値)
2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位、死亡中位による推計仮定による推計結果
です。
グラフを見ても明らかなように、
高齢化とそれを支える人口の低下という問題は、今もなお解決の糸口を見つけてはいません。
実際、2025年には65歳以上の高齢者が29.6%となり、その後もその割合が増えることが予想されています。
そして、高齢者を支えることになる15歳~64歳の人口が少ないことがこの問題をより深刻化しています。
少子化対策が功をなしていない現在、
この問題に関しては、いかに健康な高齢者を増やすのかということが急務であると考えられます。
以前に健康寿命という概念に触れました(下記のリンクを参照ください)が、
この健康寿命を延ばし、平均寿命との差を縮めること、
単に長く生きるのではなく、健康な状態で長く生きるということを目指す必要があるわけです。
特に、今後の医療費の観点から考えますと、
認知症対策というのは急務となってきます。
今から10年前の2014年時点でも
認知症の社会的コストは、14.5兆円だったそうです。
それが、2020年には17.4兆円。
今後も増えていくことが予想されています。
認知症には、他の病気との違いがいくつかあります。
まずは、その発症率の高さ。
この割合は、高齢になるほど高くなります。
そして、家族の介護負担の大きさ。
これは、他の疾患に比べ、罹病期間が長いこと、介護者の精神的負担や介助量が大きいことが関係しているのではないかと思われます。
さらに、認知症の中でもアルツハイマー病に関していえば、
認知症になる20-30年前にはその原因物質の蓄積が始まっているとされております。
そこから考えても明らかな症状が出る前に対策をうつことが重要であることがわかるでしょう。