【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-3

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【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-3

2024/07/13

【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-3

こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。

ときどき訪問診療のお手伝いをしているのですが、

老々介護の厳しさを感じています。

ご本人の希望をどこまで優先してあげるのか、

介護者の負担がどのようにしたら軽くなるのか、

介護者の理解力や判断力はどうなのか(他の家族が現状をどの程度理解しているのか)

など、ご家庭によっての問題はさまざまですが、

今後は更にそういう問題は増えていくのでは?と感じています。

さて、今日は以前にもお話しいていた認知症の周辺症状の中でも問題になりやすい暴言と暴力について、

暴言・暴力を減らすための方法についてお伝えしていきたいと思います。

 

それぞれの認知症における暴言・暴力の特徴は、【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力

暴言・暴力に至るきっかけについては、【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-2

を参照してください。

本人の意思を尊重し、否定しないようにする

本人の気持ちに寄り添い、意思を尊重しましょう。

ご本人のためを思って行っていることであったとしてもやりたいと思っていることをとめたり、嫌がっていることを無理にさせたりすることはご本人にとって大きなストレスになり、暴言や暴力につながります。

ご本人や周囲に危険が及ぶ状況でもない限り、なるべくそっと見守ってあげるようにしましょう。

過剰に心配し本人に代わって何でもやってしまうこともなるべく避けた方がいいでしょう。自尊心を傷つけてしまう恐れがあります。

また、本人自身、いつも不安や恐怖を感じながら何とか今の状態を自分なりに理解しようとしています。そのため、日頃から本人の言動を否定しないということが大切です。

本人が忘れてしまっているだけの事実であったとしても、本人の記憶になければそれは本人にとっての事実ではないのです。

同じように本人が思ったことは本人にとっての絶対的な事実です。

否定感を与える「でも」「だけど」などの表現も避けるようにして、本人の判断が間違っていても否定しないようにしましょう。

 

本人の自尊心を大切にする

自尊心を傷つけられると誰でも嫌な思いをして怒りを感じますが、それは認知症になっても同じことですので本人の自尊心を大切にしましょう。

もの忘れがある人であっても感情の記憶だけは残っているということは少なくありません。

具体的なことは忘れてしまったとしても嫌な思いをしたという記憶だけが残り、本人のイライラの原因となってしまいます。
認知症の症状の進行に伴って、周りから注意されることや制止されることが増えてしまいますが、なるべく「大丈夫?」などの過剰な声掛けは控え、できることは本人に任せてあくまでも陰からサポートする方針で対応し、本人の気持ちや自尊心を大切にしてください。

 

不安や混乱に陥らないようにする

認知症になると状況を理解することが難しくなります。そのため、本人が不安になったり、混乱したりして、その結果、暴言や暴力へつながる場合があります。

そうならないための対策としては、現在どのような状態や立場に置かれているか、今後どうしたら良いかなどの情報を本人へわかりやすく伝達することが大切です。

一度説明しただけでは大事なことを忘れてしまう可能性があるので、できるだけ何度も繰り返して丁寧に本人へ伝えるようにしましょう。メモを使うと効果的な場合もあります。

本人と介護者、それぞれの感情を大切にする

介護する側は認知症の方への対応に手いっぱいになって介護者自身の感情については後回しになってしまうということが起こりがちです。しかし、認知症の方の感情を大切にするのと同じように介護者自身の感情も大切にすることが重要です。

認知症のかたというのは意外に周りの方の感情に敏感です。介護者が抱いている感情を、態度や表情などからご本人が敏感に察してしまいます。

そのため、介護者がマイナスの感情を持つと、本人にもマイナスの感情が連鎖して悪感情が投げ返されるというケースが少なくありません。
特に、介護者の疲労感や不安・イライラは知らないうちに大きなストレスになってきます。まずは自分の感情に目を向けて、定期的に気分転換をはかるようにしましょう。

介護者に気持ちの余裕が生まれると、本人の感情を大切に寄り添いながら対応できるようになります。

 

関わり方・コミュニケーション方法を工夫する

認知症の方との関わり方をどのようにすれば良いのかをよく考えてコミュニケーション方法を工夫しましょう。

何かをしてもらう場合にも力で抑えこむといった無理強いするようなやり方は、反発を招いてしまいます。

認知症のかたに恐怖心や不安を抱かせないよう十分に注意が必要です。

それには先ほども述べたように、本人を尊重すること、できることは本人に任せることが大切です。

また、適度なスキンシップは本人に安心感を与えるので、優しく体をさすったり手を当てたりすると良いでしょう。

そして置かれている状況やこれから何をするのかなど、本人が理解できるようにコミュニケーション方法を工夫してわかりやすく説明することも重要です。一度伝えたことでも忘れてしまうことがあるので頻繁に声かけをしましょう。

ケアをする際に突然体に触れたり、介護者がイライラしながら接したりすると恐怖心や不安を感じ、暴力的な態度をとってしまうことがあります。介護するときは感情的にならず、丁寧に今から何をするのかなどわかりやすく話しかけることを心掛けましょう。

 

認知症の人の暴言・暴力を減らす方法についてお話ししてきました。

次回は実際に暴言・暴力が起こってしまったときどうするのかについてお伝えしようと思います。

お付き合いいただきありがとうございました。

今日もよい一日をお過ごしください。


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認知症については、過去のブログ記事も参考にしてください。

 

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