【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-2

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【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-2

2024/07/08

【認知症の症状】周辺症状 暴言・暴力-2

こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。

都知事選が終わりましたね。

私は都民ではありませんが、今回の選挙はいつになく注目していました。

応援してい方が当選できなかったのは残念ですが、いつもよりも関心も注目度も高かったように思います。

気持ちを切り替えてやっていきましょう。

 

さて、本日の内容は、昨日の続きとなります。

昨日は、認知症の周辺症状の中でも問題になりやすい暴言・暴力について、各認知症による違いについてお伝えしました。

本日は、認知症の方が何をきっかけに暴言・暴力という行為に及びやすいのか?ということについてお伝えしていきます。

 

昨日の内容も参照ください。

https://hetero-clinic.jp/blog/detail/20240707165419/

認知症になったからといってすべての人に暴言や暴力といった症状が出るわけではありません。

では、どうして認知症の方が暴言・暴力に至ってしまうのでしょうか?

実は、認知症の人が暴言を吐いたり、暴力をふるったりする要因にはさまざまなものがあります。

きっかけとなる原因は一つかもしれませんが、複数の要因が運悪く重なってしまった結果、暴言や暴力に至ることがほとんどです。

つまり、暴言や暴力につながる要因を推測し、そのどれかがうまく解消できれば、このような悲劇が生じる可能性をぐっと下げることができます。

不安を感じ、混乱している

認知症の人は現状やこれから起こることをうまく理解できず、いったん理解したとしても忘れてしまいます。

そのため、常に不安や混乱と隣り合わせです。

私たちでも、なぜそこにいるのか、その人は誰か、これから何が起こるのかわからならければ、心細いのではないでしょうか?

認知症の方はそういったことから不安や混乱に陥った結果、自分の身を守るために本人としては仕方なく暴言を発していることもあるのです。

 

感情のコントロールがうまくいかない

認知症の人の中には、感情のコントロールが難しくなる方が多くいらっしゃいます。

特に感情を抑制し冷静な思考や行動を行う大脳の前頭葉という部分が萎縮してくると

ご本人の意思や性格に関係なく、恐怖や不安、怒りで興奮してしまいます。

そして、いったん生じた感情の暴走は容易には収まりません。

ご本人が感情的になっているとき、「落ち着いて」と声をかけても、かえってパニックになって状況が悪化するだけになってしまいます。

周囲の感情の影響

認知症の人は脳の機能低下によって論理的な理解が難しくなってしまうことがありますが、

その一方で感受性は想像以上に高く、周囲の人の感情や反応を何となく理解するのが得意な傾向にあります。
 

そのため、その場で起こっていることを、身近で頼りになる人の表情や態度で理解します。

ただし、その感情がどのような理由のものなのか、誰に対するものなのかまでの理解は難しいのです。

その結果、暴言に近い言葉が出てしまうことがあります。

 

たとえば、家族の方が認知症の方の行動に対して落ち込んだとします。

そうすると認知症の方は家族の「マイナスの感情」を受け取り、自分自身も不安な気持ちになってしまいます。

その結果、それがきっかけとなって急に暴れ出したり、「辛気臭い顔するなら出ていけ」と暴言を発したりしてしまうのです。

自尊心が傷つけられた

論理的な判断は難しいものの感受性は高いことが多いのが認知症の方の特徴です。

また、自尊心や羞恥心などの精神的な部分はしっかり残っています。

誰でも自尊心が傷つけられれば怒り、悲しみを覚えるでしょう。

認知症の方は、自分が認知症であるという病識はない場合でも、自分がいろいろできなくなってきていることを自覚しています。

そのため、試されるような言動や、のけ者、はれもの扱いされるような自尊心が傷つけられる場面には過敏に反応してしまいます。

ときには、こちらにはそういう意図がない場合、たとえば、「そんなことするのは危ないよ」と声をかけただけなのに「年寄りだからってバカにするな!」と怒鳴ることがあります。

これは、認知症の方が自身の運動能力の低下は自覚しているものの、理解力の低下や理性が抑えられないことが理由で、「自分のことを否定された」と感じてしまうことで起こってきています。

 

体調や気分がすぐれない

認知症になると自分の置かれている状況や気持ちの表現が難しくなります。

そのため、認知症の方は自分の痛みや体の不調を正確に理解し、周囲に伝えることが難しくなり、暴言につながる場合があります。

たとえば、私たちは傷んだものを食べてしまったことを頭で理解できれば、腹痛に耐えることも、医者にかかるなど状況を改善する手段をとることもできます。

それがうまくできない認知症の人にとって、痛みや体調不良は想像以上にストレスを感じるものです。

場合によっては、「なぜお腹が痛いのだろう」「もしかしたら毒を盛られたのかもしれない」と妄想し始め、「お前が毒を持ったのだろう」と暴言を発してしまうことがあります。

また、病院に連れて行こうとして「どこに連れて行くんだ!やめろ!」と暴れてしまうこともあり得ます。

 

認知症の方が暴言・暴力に至る原因についてお伝えしてきました。

介護をする側も人間なので、暴言・暴力にさらされると心が折れそうになることもあるかと思います。

自分の身体と心を守ることを第一にしながら、ご本人が落ち着いているときに不安な気持ちに寄り添ってあげるようにしましょう。

次回は、暴言・暴力に対する対策についてお伝えしていきます。

 

今日も良い一日をお過ごしください。


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https://hetero-clinic.hp.peraichi.com/onlin

 

 

認知症については、過去のブログ記事も参考にしてください。

 

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