認知症の方と旅行する時の3つの注意点と事前準備
2024/04/28
認知症の方と旅行する時の3つの注意点と事前準備
こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。
ヘテロクリニックは昨日からお休みをいただいていますが、
私は昨日・今日と別のクリニックで訪問診療のお手伝いをさせていただいています。
というわけで、観光客の方たちが来る前に鎌倉を出てきて
観光客が帰った後に帰る予定でいます…笑
そして、明日から2日間は家から出ずに籠城しようかと。
世間の喧騒を避けて、のんびり?させてもらいます。
「疲れ対策」をする
認知症の方と旅行する時の3つの注意点
認知症の方は、脳が疲れやすい傾向があります。
特に旅行のように慣れない環境に行くと、その環境になじもうとして余計に疲れるといったことが起こってきます。
旅行に出かけてすぐのときは楽しんでいたとしても、
徐々に疲れがたまり、
- 注意力が欠けて思わぬ危険を招く
例)ちょっとした段差でつまづいて転倒する、何かにぶつかる、迷子になる
- 機嫌が悪くなる
- 眠くなってしまう
ということが起きてきます。
疲れがひどくなるとせん妄を引き起こすことも。
では、疲れ対策としてどのようなことをすればよいのでしょうか
- 充分に休息がとれるよう長い行程は避ける
- あらかじめ休憩できそうな場所をチェックしておく
- 時間にゆとりがある行程にする
- 疲れがひどい場合、目的地や行程を変更できるような気持ちのゆとりを持つ
ご本人が予定を変更するに対して、「自分のせいだ」と責任を感じているようなら
同行している家族もゆっくりしたいからそちらの方が良いと思っていることや
変更した先も楽しそうだと他の家族もみんなで行ける旅行を楽しんでいることを伝えましょう。
記憶障害への対策をする
認知症の方と旅行する時の3つの注意点
認知症の方は、疲れると特に
なぜ今ここにいるのか
どこに向かっているのか
わからなくなることがあります。
そうするとどうしても不安になったり、困惑したりしてしまいます。
そのため、こういった記憶障害へ配慮することが大切になってきます。
たとえば、どこに向かっているのかを何回もていねいに伝えたり、
目的地のパンフレットを見せたり、
簡単な行程表を作って、ご本人に見せ、今いる場所やこれからの予定を伝えたり
することで、ご本人が安心して過ごせるようになるかもしれません。
また、宿に泊まって目が覚めたとき、どうして自分がここにいるのか分からないということもありえます。
そうしたときのために、朝ご本人が心地よく過ごせるようご本人の好きなお菓子を準備しておくといったような工夫をしておくのもよいでしょう。
同行者もゆとりを持つ
認知症の方と旅行する時の3つの注意点
認知症の方と旅行には、いろいろな配慮が必要です。
そのため、同行者も疲れがたまりがちです。
同行者自身も充分に休息がとれるよう、ゆとりを持った予定を組みましょう。
せっかく心を砕いて準備した旅行であっても
ご本人が思ったほど喜んでくれなかったり、
眠ってしまったり、ついさっきのできごとを忘れてしまったりと
ご家族の思い通りにはいかないことがあるかもしれません。
認知症の方が旅行へ行ったことを忘れてしまっていても
そのときの楽しんでいた感情の記憶は残っているかもしれません。
さらには、いっしょに経験したそういう大変なことも後々には、
ご家族自身のよい思い出になるでしょう。
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認知症については、過去のブログ記事も参考にしてください。
- 認知症とは
- 認知症の原因 薬剤誘発性認知症
- 認知症の症状 その1
- 認知症の症状 その2 中核症状 記憶障害
- 認知症の症状 その3 加齢による物忘れと認知症の物忘れの違い
- 認知症の症状 その4 中核症状 見当識障害
- 認知症の症状 その5 中核症状 判断力低下
- 認知症の症状 その6 中核症状 失語症
- 認知症の症状 その7 中核症状 失行
- 認知症の症状 その8 中核症状 失認
- 【認知症の症状】その9 周辺症状
- 【認知症の症状】周辺症状 失禁・弄便