感情カウンセリングを癌の患者様の家族にもお勧めしたい理由 その4
2020/02/10
感情カウンセリングを癌の患者様の家族にもお勧めしたい理由 その3で、癌患者のご家族の方もご本人と同じようなストレスを抱えていることやご家族の方の心が安定していることで患者さまの不安が軽くなるということについて、お伝えしました。
では、これはどうしてなんでしょうか
不安というものは潜在意識の作用により相手に伝わってしまいます。
このメカニズムに関与しているのが、嗅覚と脳波です。
嗅覚は、五感の中で感情との関わりが最も強いといわれています。
顕在的に感じとれない匂いが私たちの感情に影響を与えるということがさまざまな実験で分かっています。
たとえば汗。
汗は不安を感じている人とそうではない人とでは、その匂いが違うようです。
実際、その違いを感じる人はほとんどいないとは思いますが、潜在意識はその違いをしっかりと感じとっているようです。
デュッセルドルフ大学のパウゼ博士は、49人の大学生を対象にジムで流した汗と試験前で緊張して不安になっている汗を比べる実験をしました。
別の28人の学生にその汗を嗅いでもらって、そのときの脳の活動を調べました。
すると、不安のときの汗を嗅いでいるときには、社会的感情に関係するとされる紡錘状回や共感に関連する島(とう)、楔前部(けつぜんぶ)、帯状回も活性化していました。
さらに、注意をコントロールする視床や背内側前頭前皮質、感情をコントロールする小脳中部にも活動がみられたそうです。
不安を抱えている人に寄り添いたいと思ったら、まずは自分の心のケアをするとよいかもしれません。