人との距離感がわからない原因は?それ、愛着障害が深く関係しているかも?!①
2024/10/24
こんにちは。ヘテロクリニックスタッフ兼カウンセラーの米井です。
今日の鎌倉は、午前中、ちょっと蒸し暑かったですね!
クリニックの外で、院長と二人で作業をすることがあったのでゴソゴソと取り掛かっていたのですが、30分ちょっと動いただけで汗をじんわりかきました。(笑)
そして、クーラーをしばらくぶりにつけたのでした。
今日以降、しばらくは雨模様が続くようですので、体調にも気をつけていきましょう。
さて、今日は以前もご紹介した、人間関係がうまくいかなくなってしまう根本原因の一つである愛着障害について、改めて詳しくお伝えしたいと思います。
目次
人間関係や人付き合いで
✔人に頼れない
✔本音を言えない
✔誘い・頼み事を断れない
✔人によって何を話していいかわからなくなってしまう
など、距離感がなかなかうまくとれず、うまく人間関係が築けない。。
といったことで悩むことはありませんか?
もしかしてそれは、愛着障害が深く原因に関わっているかもしれません。
(↓愛着障害については以前こちらのブログでさらっとご紹介はしています。参考にしてみてください。↓
なぜ人との距離感がわからなくなるの?
人間関係や人付き合いにおいて、相手との「距離感」をうまく取れないと感じたことはありませんか?
例えば、相手に近づきすぎてしまって「重い」と思われたり、逆に壁を作ってしまい「冷たい」と感じさせてしまったり。
このような距離感の問題は、恋愛、友人関係、職場の人間関係など、あらゆる場面で表れます。
(恋愛の場合)
相手の反応に過剰に敏感になりすぎて、必要以上に相手に依存してしまうことがあります。
また、逆に本当はもっと深く関わりたいのに、親密になるのが怖くて自分の本心を隠して素っ気ない態度を取りがちになることも。
(友人関係の場合)
過度に相手に気を遣いすぎて、結局自分の本音が話せず、孤独を感じることもが多いかもしれません。
(職場の場合)
上司や同僚とのコミュニケーションがぎこちなくなり、必要以上に自己主張を控えたり、逆に相手の期待に応えようと無理をしてしまうことが多いかもしれません。結果的にこれがストレスの原因になることも。
こうした「距離感がわからない」感覚には、実は過去の経験や心理的な要因が関係していることが少なくありません。
特に、愛着障害がその背景にあることが多いのです。
愛着障害とは?その基本を知ろう
愛着障害とは、幼少期に親との間で形成される愛着(絆)の問題が、成長してからの人間関係に影響を与える状態を指します。
特に子どもは、安心して愛情を受け取れる関係を築くことで、人間関係の基本的な距離感や信頼感を学びます。
しかし、親との関係が不安定であったり、適切な愛情を受けられなかった場合、愛着の形成に問題が生じることがあります。
愛着障害の背景には次のようなものがあります。
- 親が過度に干渉する、または放任する
- 親の期待に応えなければ愛情を受けられないと感じる環境
- 親が安定した愛情を提供できなかった(例えば、病気や離婚などの家庭問題)
こうした経験が、大人になってからの人間関係に影響を及ぼし、適切な距離感をつかむのが難しくなったり、過度に依存したり、逆に距離を取りすぎてしまう原因になるのです。
距離感の問題と愛着障害の深い関係
こうした「距離感の問題」は、実は幼少期に形成される愛着スタイルと深い関係があります。
愛着障害を抱えている場合、この距離感の取り方が特に難しくなりがちです。
愛着スタイルとは、幼い頃に親との関係を通じて形成される、他者との信頼関係の築き方のパターンです。
愛着が安定している人は、適切な距離感を保ちながら安心して人と関わることができますが、愛着障害があるとそのバランスが崩れ、距離感の問題として現れます。
例えば、相手に近づきすぎてしまう「不安型愛着」や、逆に距離を置きすぎてしまう「回避型愛着」は、愛着障害の典型的な表れです。
それでは、これらの行動の背景にはどのような心理的要因があるのでしょうか?
距離を詰めすぎる、逆に距離を置きすぎるといった問題行動の背景
距離を詰めすぎる(過度な依存や不安)
「もっと相手に近づきたい」「相手が自分から離れてしまうのではないか」という不安を抱え、常に相手との親密さを求めるタイプが「不安型愛着」です。
このタイプの人は、相手との距離感を近づけすぎる傾向があり、相手に対する過剰な依存が見られることがあります。
(過度な依存の例)
友人や恋人に対して、頻繁に連絡を取ろうとしたり、相手の動向に敏感になりすぎたりします。
相手が少しでも距離を取ろうとすると、「見捨てられた」と感じ、強い不安に駆られることがあります。
(背景にある心理)
幼少期に親からの安定した愛情を十分に受けられなかった場合、常に他人に対する不安や信頼の欠如を抱えるようになります。これが成長してからの人間関係で、相手に過度に依存する形で現れます。
距離を置きすぎる(過度な自己防衛)
一方、「回避型愛着」を持つ人は、逆に相手との距離を詰めることに恐怖を感じ、心理的に近づくことを避けます。
親密になることで傷つくことを恐れているため、無意識のうちに他人と距離を置こうとするのです。
(過度な距離の例)
親しい友人や恋人ができても、意識的に関係を浅く保とうとし、相手が感情的に踏み込んでくると距離を置いてしまいます。
また、感情表現を抑えることで、自分の弱さを見せないようにします。
(背景にある心理) 幼少期に親から感情的なサポートが得られなかったり、過度に干渉されたりした経験がある場合、他人との関係で傷つかないように自分を守る手段として、距離を置く傾向が強くなります。
愛着スタイル(回避型・不安型など)の違いが距離感にどう影響するか?
愛着スタイルには、大きく分けて「安定型」「不安型」「回避型」「混乱型」の4つがあります。
このスタイルの違いが、相手との距離感の取り方に大きく影響します。
1. 安定型愛着
安定型愛着を持つ人は、相手との適切な距離感を保ちながら、人間関係を築くことができます。
相手を信頼し、自分自身も相手にとって信頼できる存在であるという感覚を持っています。
そのため、距離を詰めすぎたり、逆に遠ざけたりすることが少なく、バランスの取れた関係を築けます。
2. 不安型愛着
不安型愛着の人は、常に相手に対して「もっと近くにいてほしい」「見捨てられたくない」と感じています。
愛情や安心感を過剰に求めるため、相手との距離感が極端に近くなりがちです。
しかし、相手がその期待に応えられない場合、過度に不安を感じ、結果的に相手との関係が不安定になることがあります。
3. 回避型愛着
回避型愛着を持つ人は、感情的な親密さを避け、他人と距離を保とうとします。
心理的な傷つきを恐れているため、親密になることを避け、感情を抑えた関係を築く傾向があります。
その結果、距離を詰めるべき場面でも無意識に距離を置いてしまい、深い関係を築くのが難しくなります。
4. 混乱型愛着
混乱型愛着の人は、相手に対して近づきたい気持ちと、遠ざけたい気持ちが同時に存在します。
そのため、相手との距離感が極端に不安定で、時に過度に依存したり、時に急に距離を置いたりすることが繰り返されます。
これにより、相手も自分も混乱し、関係が不安定になりがちです。
愛着スタイルは、どのように他者と関わり、距離感を取るかに大きな影響を与えます。
愛着障害を持つ人は、相手との適切な距離感を見つけるのが難しくなり、過度に依存したり、逆に距離を置きすぎたりしてしまうことが多いです。
あなたはどう?愛着障害のサインをチェックしよう
「もしかして私も…?」と感じたら、まずは自分が愛着障害に該当するかどうかを知ることが大切です。
愛着障害のサインは日常生活や人間関係に現れるため、気づきにくいことがあります。
ここでは、自分を振り返りやすいように、愛着障害に関連するいくつかのチェックリストを準備しました。
よければ普段の自分の感情や行動パターンを振り返ってみて、愛着障害に該当するかチェックしてみてください!
<愛着障害に該当するかもしれないチェックリスト>
次の質問に「はい」「いいえ」で答えてみてください。
該当する項目が多ければ、もしかするとあなたの対人関係における距離感の悩みは、愛着スタイルに関連しているかもしれません。
①人との関係で不安を感じることが多いですか?
- 友人や恋人との関係で、自分がどう思われているか過度に気にしたり、相手に不安を感じることがある。
②相手との距離感をどのくらいにすべきか悩むことがありますか?
- 近づきすぎてしまったり、逆に距離を取りすぎてしまったり、適切な距離感がわからなくなることが多い。
③相手に対して依存的になってしまうことがありませんか?
- 友人や恋人に過剰に頼りすぎて、相手の反応によって一喜一憂してしまうことがある。
④心理的に親しい関係を築くのが苦手だと感じますか?
- 本当に親しい関係を築こうとすると、感情的に距離を取ってしまいがちで、深い付き合いが難しいと感じる。
⑤相手が自分を裏切るのではないかと不安を抱くことがありますか?
- 何か特定の理由がなくても、相手に対して「この人に裏切られるかもしれない」という不安を感じることがある。
⑥親しい人と長時間一緒にいるのが疲れると感じますか?
- 誰かと長く過ごすと、心理的に疲れてしまい、距離を置きたくなる。
⑦相手からの心理的な支えを信じられず、自己防衛をすることがありますか?
- 誰かがサポートしようとしても、それを疑ったり拒絶したりしてしまうことがある。
⑧誰かと親密になりすぎると、不安を感じることがありますか?
- 親密さが増すことで「傷つくかもしれない」という不安が強くなり、距離を置きたくなる。
自分の状態を理解することは、よりよくなっていく変化の道しるべ
チェックリストのほうはいかがでしたか? あてはまるものはあったでしょうか?
もし、「愛着障害かもしれない…」と実感されたとしても、それがあなた自身の存在価値を下げるようなものでは決してありませんし、否定的に思われることはまったくありません。
「もしかしたらそうかもしれない」という視点を持つことによって、自分に対する理解が深まったり、より生きやすくなっていくための手立てになる可能性があります。
今回、この記事を書くにあたり、私自身も改めてこの愛着障害に学ぶ気持ちで書いていました。
私自身ももともと愛着障害ですし、現在もその影響自体は残っていそうです。
でも、こうして気づく事でその影響を取り除き良い方向へ変化…まるで螺旋階段のように何度か繰り返していきます。
自分自身や人生が良い方へ変化していくというのは、そうしたちょっとした変化の積み重ねの繰り返しでもあります。
もし今日、このブログを読んでくださって、「自分ももしかしたら愛着障害かも、、?」と気づけたとしたなら、それは、一歩、自分と自分の人生が良い方向へ変化しだした一歩だと前向きにぜひ受け止めてみてくださいね。
次回は引き続き「愛着障害」について、人との距離感をうまくつかんでいくための改善方法を中心にお届けしていきます。
ヘテロクリニックでは、「自分の健康は自分で守る」をコンセプトに、健康を守るための様々なサポートを行っております。
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