自然が脳に与える驚きの効果:集中力と創造力を高める方法

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自然が脳に与える驚きの効果:集中力と創造力を高める方法

2024/10/19

目次

    自然が脳に与える驚きの効果:集中力と創造力を高める方法

    こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。

    これを知ったら思わず外にお出かけしたくなるような自然が脳にもたらす効果について、お伝えして行きます。

    現代は自然に触れ合う機会が減っている

    自然は時に猛威をふるい、私たちの生活を脅かしますが、

    多大なる恩恵ももたらしてくれます。

     

    しかし、残念なことに現代の生活では自然に触れる機会が減ってきていることが指摘されています。

    なぜ、昔のように子どもたちが外で遊べなくなってきているのでしょうか。

    都市化による自然環境の減少

    都市部では、住宅の密集や交通量の増加に伴い、子どもたちが自由に遊べる自然環境が少なくなっています。

    1973年に日本の都市部における緑地の保護や整備を推進する「都市緑地法」が制定され、多くの都市部で公園や緑地の整備が進められましたが、依然として緑地が不足している地域も多くみられます。

    特に、大都市部では開発優先の姿勢が残っており、子どもたちが広々とした自然の中で遊ぶ機会は限られています。

    安全面の懸念

    日本では、安全面の理由から親が子どもたちを外で遊ばせることに慎重になっている傾向があります。

    交通事故や誘拐といったリスクを懸念し、外で自由に遊ばせることを避ける家庭が多くなってきています。

    特に、小学校低学年以下の子どもたちに関しては、親が常に付き添う必要があるため、外遊びの頻度が減ってきているようです。

    学校の体育時間や外遊び時間の減少

    近年、日本の学校では、学習指導要領の変更や学力向上のプレッシャーにより、体育の授業や外遊びの時間が減少している傾向があります。

    また、都市部の学校では、運動場のスペースが限られているため、子どもたちが十分に体を動かす機会が少なくなっていることも報告されています。

    デジタルデバイスの普及による影響

    近年、スマートフォン、タブレット、ゲーム機などのデジタルデバイスが急速に普及し、子どもたちが屋内でスクリーンを見ながら過ごす時間が大幅に増えています。

    デジタル機器を使って動画を見たりゲームをしたりする時間が長くなると、自然と屋外で過ごす時間が減少します。

    総務省の調査によると、小学生では1日3時間以上もスクリーンを見ながら過ごしているそうです。

    アメリカの「Common Sense Media」の報告によると、8~12歳の子どもでは、1日平均5時間もスクリーンを見て過ごしているそうですから、当然、自然と触れ合う時間が少なくなっているのもうなづけるでしょう。

    自然と触れ合うと集中力がアップする

    注意回復理論(Attention Restoration Theory: ART)

    注意回復理論とは、自然の中で過ごすと、注意力が回復し、より集中できるようになるという理論です。

     

    これは、1980年代に、ミシガン大学の心理学者レイチェル カプラン&スティーブン カプランによって提唱されました。

     

    この二人が行った実験があります。

     

    カプランの実証実験

    被験者を2つのグループに分け、ゲームに取り組ませました。

    ゲームは、数字を逆唱するとか100から3を引き続ける、つまり、97・94・91・・と続けるような集中力が必要な内容でした。

     

    実は、このゲームをする前に2つのグループには、それぞれ『植物園』と『繁華街』を50分ほど歩いてもらっていました。

    すると、事前に植物園を歩いたグループの方が20%良い結果となった、のです。

    (Kaplan, R., & Kaplan, S. (1989). The experience of nature: A psychological perspective. Cambridge University Press.)

    注意とひとことでいっても、実は注意にはいろいろな種類がありますが大きく分けて2つ

    • 全般性注意(さらに持続性注意、選択性注意、転換性注意、配分性注意に分類されます)
    • 方向性注意

     

    集中力は持続性注意に、注意の切り替えは転換性注意にあたります。

     

    屋外歩行では、さまざまな状況を同時にこなしていく「分配性注意」を必要とする場面が多く存在します。

    特に繁華街を歩くときには、周りの車や人に常に注意を払う必要があるため、

    「分配性注意」「転換性注意」が必要になってきます。

    つまり、自然の中を歩くときよりも多くの注意を払う必要があるのです。

    回復を決める要因: 逃避・魅了・広がり・適合

     

    回復な環境かどうかは逃避、魅了、広がり、適合という要素で決まるとされています。

     

    • 逃避:日常の生活から離れて、リフレッシュできると感じられる程度
    • 魅了:人々の心を奪い、興味を引き付けるような環境の特徴がどの程度含まれているか
    • 広がり:その環境自体の広がりや環境に含まれるようその豊かさ
    • 適合:環境を利用する人の目的や行動にその環境がどの程度適しているか

     

    森林などの自然環境には、この4つの要素が多く含まれているということをカプランは指摘しています。

    参考)注意回復理論を用いた回復環境としての森林環境の機能に関する研究

    自然と触れ合う機会が減ってきている現代。

    仕事に集中できない。。。といったことが増えてきたのであれば、

    お休みの時に自然の環境に身を置くのも一つの方法かもしれません。

    自然の中で創造力が磨かれる

    周りの景色を見ながら散歩をしているときに、ふとアイデアが浮かんだという経験をした方もいるかと思います。

     

    2012年カンザス大学(University of Kansas)のRuth Ann Atchleyらが発表した論文によるとたった3日間自然の中にいるだけで創造力のテストの成績が50%もアップしたそうです

    参考)

    Creativity in the Wild: Improving Creative Reasoning through Immersion in Natural Settings

    これは、自然の中にいるときに脳のデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)が活性化することで起こってくるのではないかと考えられています。

     

    デフォルト・モード・ネットワークとは、

    脳が外部のタスクに集中していない時、つまり「休んでいる状態」や「ぼんやりしている状態」で活性化する脳の領域のことです。

    DMNは、内省的な思考や自己反省、記憶の整理、未来の計画、空想などに関与します。

    DMNが活性化すると、脳内に蓄積された情報が自在に結びつきやすくなるため、創造力や発想力の向上が期待できます。

     

    実は、自然の風景や芸術作品を見て、感動したときにもDMNが活性化するという報告もあります。

    The brain on art: intense aesthetic experience activates the default mode network


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