アドバンストケアプランニングで大切な家族の心理的な負担を軽減する-5

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アドバンストケアプランニングで大切な家族の心理的な負担を軽減する-5

2024/10/09

アドバンストケアプランニングで大切な家族の心理的な負担を軽減する-5

こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。

これまで

についてお伝えしました。

 

アドバンストケアプランニング(ACP)は、書類や法的な側面などを整えておくことが意思決定が確実に尊重されるために重要となってきます。

それによって、自分の希望を適切に反映させ、家族や医療者が迷わず適切な対応ができるようになります。

ACPに関わる主要な法的なポイントを詳しく説明します。

1. リビングウィル(事前指示書)

リビングウィルは、将来、自分が医療的な意思決定を行えなくなった場合に備えて、自分の希望する医療内容やケアの選択肢を文書で明示しておくものです。

リビングウィルには、以下のような内容が含まれることが一般的です。

 

  • 延命治療に対する意向

人工呼吸器や心肺蘇生、人工栄養など、延命措置をどのように受けるか、または受けたくないかを記載します。

 

  • 緩和ケアの希望

​​​​​​​痛みや苦痛を取り除くための治療をどの程度受けたいか、

またどのようなレベルのケアを希望するかを明確にします。

 

  • 死後の措置

​​​​​​​臓器提供の意思や葬儀、埋葬に関する希望もリビングウィルに記載することができます。

 

法的効力

リビングウィルは意思を文書で残すものですが、法的効力は国や地域によって異なります。

日本では、リビングウィル自体に法的効力はありませんが、家族や医療者との話し合いの指針として活用され、意思を尊重するための重要な文書となります。

2. 代理意思決定者(医療代理人)の指名

自分で医療的な意思決定ができなくなった場合に、代わりに決定を行ってくれる「医療代理人」をあらかじめ指名しておくことができます。

これを「代理意思決定者」や「医療代理人」と呼びます。医療代理人を指名しておくと、リビングウィルに記載した意思が明確でない場合でも、自分の意思を代弁して医療者に伝えてもらえます。

 

  • 選定方法

通常、信頼できる家族や友人を選ぶことが多いですが、医療知識があるかどうかは重要ではありません。

医療者としっかりとコミュニケーションを取り、自分の意思を尊重してくれる人物を選ぶことが大切です。

 

  • 法的な手続き

​​​​​​​代理人を指名するためには、正式な書面(医療委任状、または医療代理委任状)を作成し、署名を行う必要があります。

これによって、代理人は法的に認められた立場となり、医療者との話し合いに参加できるようになります。

 

法的効力

日本では、代理意思決定者に法的効力を与えるためには「任意後見制度」を活用することができます。

任意後見契約を結ぶと、認知症や病気などによって意思能力が失われた際に、指定した代理人が法的に決定を行う権利を持ちます。

3. 尊厳死宣言書

尊厳死宣言書は、延命措置を拒否し、自然な形で死を迎えることを希望する際に作成する文書です。

この宣言書は、具体的にどのような状況で延命治療を行わないか、

また自然な死を受け入れるかについて明示します。

 

  • 延命治療の中止

尊厳死宣言書には、延命治療を中止する条件や状況(回復が見込めない場合、生命維持装置の使用など)について記載することが一般的です。

 

  • 家族の役割

​​​​​​​家族や代理意思決定者に、この意思を代弁してもらうことが重要です。

また、家族がその意向に反対しないよう、事前にしっかり話し合っておくことが大切です。

 

法的効力

尊厳死宣言書も、リビングウィルと同様に法的効力が日本では強制されていませんが、医療者に対する明確な意思表示として役立ちます。

医療機関によっては、この文書に基づいて治療方針を調整することがあります。

4. 任意後見契約

任意後見契約は、将来、自分の意思能力が失われた際に備えて、事前に後見人を選び、その人物に財産管理や医療・介護に関する決定を委任する契約です。

この契約を結ぶことで、自分が意思表示できなくなった際も、信頼できる人が代わりに重要な決定を行ってくれます。

 

  • 任意後見人の選定

親族や友人、あるいは専門家(弁護士や司法書士)を任意後見人として選ぶことができます。

 

  • 契約内容

財産管理だけでなく、医療・介護の決定についても契約書に明記し、将来のケアに関する具体的な希望を後見人に伝えることが可能です。

 

法的効力

任意後見契約は、公正証書を作成しておく必要があります。

後見人が法的に認められた権限を持つため、ACPの内容に基づいた医療やケアの決定が法的に実行されることを保証します。

5. 法的書類の保管と共有

作成したリビングウィルや尊厳死宣言書、任意後見契約などの法的文書は、適切に保管し、必要なタイミングで利用できるようにしておくことが重要です。

文書を作成しただけで満足せず、家族や代理人、医療者にその存在を伝えておくことが大切です。

 

  • 書類の保管場所

自宅のわかりやすい場所や、信頼できる家族に預けるなど、緊急時にすぐ取り出せる場所に保管します。

 

  • 医療機関への提出

​​​​​​​​​​​​​​かかりつけの医療機関にもコピーを提出しておくと、必要なときにスムーズに意思が反映されやすくなります。

6. ACPに関する法的手続きの定期的な見直し

時間が経つと、価値観や医療に関する考え方が変わることがあります。

ACPに関する法的文書は、定期的に見直して更新することが大切です。

特に、健康状態の変化や家族構成の変化があった場合には、再確認して必要な修正を加えましょう。


ACPにおける法的な側面を理解し、適切な文書を作成・保管することで、自分の意思を尊重した医療ケアが提供され、家族や代理人の負担が軽減されます。

信頼できる専門家や医療者と相談しながら、しっかりと準備を進めましょう。

 

当院でもご相談にのれますので、お気軽にご連絡ください。


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