アドバンストケアプランニングで大切な家族の心理的負担を軽減する-4
2024/10/06
アドバンストケアプランニングで大切な家族の心理的負担を軽減する-4
こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。
今日は涼しくて過ごしやすそうですね。
私は所用にて池袋まで行くのですが、久々の都会の人混みということもあって出かける前からちょっと疲れてしまいました。
ふだんは当たり前になって忘れがちですが、海の近くで暮らせるありがたみを感じました。
さて、今日はアドバンストケアプランニングのお話しの続きです。
これまで
についてお伝えしました。
今回はアドバンストケアプランニング(ACP)について家族と話し合うときのポイントについてお伝えしていきます。
アドバンストケアプランニング(ACP)はデリケートな話題です。
そのため、家族と話し合うときも慎重かつ丁寧に進める必要があります。
家族とACPを話す方法を段階ごとに詳しく説明します。
タイミングの選び方
ACPについて話し合うタイミングは非常に重要です。
家族がリラックスしている時や、ストレスが少ない状況を選びましょう。以下のようなタイミングが適しています。
• 家族行事やライフイベントの後
結婚、子どもの誕生、退職などのライフイベントの後は、家族で将来のことを考える機会が増え、話しやすくなります。
• 医療チェックや健康診断後
自分や家族の健康に関心が高まる時期には、将来のケアについて話すきっかけが生まれやすくなります。
• 身近な人の病気や死の経験後
家族や友人の病気や死をきっかけに、自分たちもACPについて考えることができます。
話題の切り出し方
ACPの話題を切り出すのは難しいものです。
穏やかなトーンで、無理なく自然に話を進めることが大切です。
ここにいくつかの切り出し方を紹介します。
• 他人の経験を例に挙げる
たとえば、家族や友人がACPを進めている場合、その話を共有し、「私たちも話し合っておいたほうがいいかも」と提案する。
• 自分の気持ちを伝える
「私がもし病気になって、自分の意思を伝えられなくなったらどうなるか考えている。家族が迷わないように、話し合っておきたい」と、自分の考えや不安を率直に伝える。
• 資料や記事を共有する
ACPについての記事やガイドラインを見せ、「こういうのを見たんだけど、話してみたほうがいいかも」と、資料をきっかけにする。
ACPの目的を説明する
家族にACPの目的を理解してもらうことは重要です。
ACPは「死に向き合う話し合い」ではなく、「未来の安心を得るための準備」であることを強調しましょう。
家族が心理的に負担を感じないように、以下の点を説明すると良いでしょう。
• 自分の意思を尊重してもらうため
将来、医療やケアの選択を自分で決められなくなった時に、家族が迷わないように、自分の希望を事前に共有することが大切だと伝えます。
• 家族の負担を軽減するため
家族が最終的な決断を迫られると大きなストレスになるため、それを避けたいという意図を説明します。
• 緊急時の安心感を持つため
将来、何が起きるかわからない中で、事前に話し合っておくことで、家族全員が安心して生活を続けられることを伝えます。
家族の意見も尊重する
ACPは個人の意思を伝えるだけでなく、家族全員が納得できるように進めることが大切です。
家族の意見をしっかり聞き、お互いの理解を深めるよう心がけましょう。
そうすることで将来的にスムーズな決断が可能になります。
• 質問を受け入れる
家族からの質問や不安をしっかり受け止め、誠実に対応するようにしましょう。
疑問点があれば一緒に調べたり、医療者に相談するなどして解決します。
• 感情的な反応にも対応する
ACPの話し合いは時に感情的になることがあります。
その場合、冷静に相手の感情を理解し、無理に話を進めず、時間をかけて少しずつ進めていきましょう。
具体的な内容を話し合う
家族との基本的な話し合いが進んだら、具体的な内容についても少しずつ共有していきます。
以下の項目を一つずつ話すことで、家族が理解しやすくなります。
• 医療の希望
延命治療や緩和ケアに関する自分の考え方を伝え、家族と意見を共有します。
• 代理人の選定
意思決定ができなくなった場合、誰が自分の代わりに医療的な決断をするかを話し合います。
• 死後の希望
臓器提供や葬儀の希望についても、家族と話し合い、共有しておきます。
定期的に話し合いを継続する
一度話し合いが済んだからといって、それで終わりではありません。
ACPは長期的なプロセスであり、状況や価値観が変わるたびに、家族との話し合いを更新することが大切です。
• 定期的な確認
年に一度や、家族イベントの際に、ACPの内容を再確認し、変更点があれば共有します。
• 書面で残す
家族との話し合いを記録しておき、必要であれば正式な書類(リビングウィルなど)を作成することも検討します。
専門家のサポートを利用する
話し合いが進まない場合や、家族が納得しにくい場合は、専門家のサポートを利用することが有効です。
• 医療者との面談
医師や看護師などの医療者に同席してもらい、専門的なアドバイスを受けながら話し合いを進めることができます。
• ACPのコーディネーターやカウンセラー
ACPに詳しいコーディネーターやカウンセラーがサポートしてくれるサービスもあります。
感情的な問題や理解の食い違いを調整するために利用するとよいでしょう。
これらのステップを通じて、家族とACPについて話し合うプロセスがスムーズに進みます。
焦らず、少しずつ進めることが重要です。
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