認知機能を守るためのお口の健康習慣
2024/08/16
目次
認知機能を守るためのお口の健康習慣
こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。
先日人生を輝かせる!元気な高齢者が実践する8つの成功習慣で、
お口の健康の重要性について触れました。
今日は、それについてもう少し詳しくお話していきたいと思います。
食事を楽しむことや他の人たちとコミュニケーションをとることが
私たちの生活を豊かにしていくために欠かせない要素であることは
誰もが疑う余地がないことだと思います。
しかし、お口の健康が身体全体の健康や認知機能の維持に深く関わっているということは
意外と知られていません。
年齢を重ねても自分らしく、活力に満ちた人生を送るために重要となるお口の健康についてみていきましょう。
歯周病が認知症のリスクを高める
私たちの体には多くの細菌が存在しています。
その中でも鼻、口、腸は細菌が常に存在する場所です。
細菌とひとことでいっても腸内にいる善玉菌のように体を守ってくれている菌もいます。
そのいっぽうで歯ぐきに「炎症」を引き起こす歯周病原菌は、体に悪影響を及ぼすことがわかっています。
細菌が引き起こした炎症を抑えるために、
私たちの体は24時間365日、常に免疫力を使って戦っています。
しかし、歯周病が悪化すると、免疫力がその炎症に集中してしまい、
一定量しか存在しない免疫細胞は他の部分に回らなくなるという問題が生じます。
つまり、歯周病が悪化するとちょっとしたことでも風邪をひきやすくなってしまう可能性があるということです。
さらに、多くの人は年齢とともに免疫細胞の機能が低下します。
そのため、高齢になって歯周病が悪化するとより一層病気になりやすくなるのです。
また、免疫力が落ちたことにより歯周病の悪化を招くという悪循環をきたします。
さらに、体内に慢性的な炎症が存在すると、血管が損傷し、動脈硬化が進行します。
また、この炎症が原因でサイトカインという化学物質が発生し、血糖を下げる働きのあるインシュリンの働きが悪くなり、糖尿病の発症リスクも高まります。
糖尿病と動脈硬化は、認知症リスクを高める要因として知られています。
つまり、歯周病はこれらの病気と密接に関わっており、結果として認知症リスクを高める要因となりうるのです。
健康な未来を築くために、今からお口のケアを見直すことが重要です。
お口の健康と認知症の関係
2012年に神奈川歯科大学 社会歯科学講座歯科医療社会学分野の山本準教授が発表したものです。
歯を失って義歯を使わなければ 認知症のリスクが最大 1.9 倍になることが、
厚労省研究班が健康な高齢者 4425 名を追跡して明らかになりました。
これは驚くべき数値ですよね。
そこまで関係するのかと。
これは昨日述べた歯周病の問題だけでなく、
歯を失って義歯を使わないことにより、栄養状態が落ちることも関係していると思われます。
歯を失い、義歯を使用していないと転倒リスクが2.5倍になる
ということもわかっています。
失ってから初めてその大切さがわかるという事態にならないよう
日ごろから歯の健康には気をつけたいものです。
オーラルフレイル
オーラルフレイルは、口の機能低下、食べる機能の障がい、さらには心身の機能低下まで繫がる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念です。
「オーラルフレイル」とは、健康と機能障害との中間にあり、可逆的であることが大きな特徴の一つです。
つまり早めに気づき適切な対応をすることでより健康に近づきます。
この「オーラルフレイル」の始まりは、
滑舌低下、食べこぼし、わずかなむせ、かめない食品が増える、口の乾燥など
ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくい特徴があるため注意が必要です。
その状態で放置すると、
噛めない→やわらかいものを食べる→噛む機能が低下する→さらに噛めなくなる
という悪循環になります。
その結果、口腔機能が低下し、心身機能の低下につながります。
セルフチェックリストからオーラルフレイルの危険性をチェックしてみましょう。
ヘテロクリニックは、自分の身体を自分で守るお手伝いをしています。
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