食で夏を元気に乗り切ろう
2024/06/29
目次
食で夏を元気に乗り切ろう
夏を乗り切る食事のポイント
量よりも質を重視
暑くて食欲がないという経験をした方もいるのではないでしょうか?
そういうときには、そうめんなど食べやすいもので簡単に済ませてしまいがちです。
これがたまにだったらいいのですが、
それが続いてしまうと必要な栄養素が不足し体調を崩す原因になります。
食事は量よりも質を重視し、いろいろな食べ物を組み合わせるように心がけましょう。
冷たい物の摂りすぎに注意
暑い日のアイスおいしいですよね。
夏はどうしても体の熱を冷ましたり水分を補給するために、
冷たい物を多く摂りがちです。
とはいえ、冷たい物は胃腸に負担がかかり、
食欲が落ちる原因となってしまいます。
温かい料理を食べたり、常温のお茶や水を選ぶなどして、胃腸の負担を減らしましょう。
食欲が出るよう調理方法を工夫する
調理方法をちょっと工夫することで、案外、食欲が増すことがあります。
- 酸味を利かせる
さっぱりして食欲が増します。
酢の物、酢豚、すしなどのほか、レモンの絞り汁などを上手に利用するとよいでしょう
- だしを利かせる
かつお節や煮干し、こんぶ、干ししたいけなどでだしをよく取るようにしましょう。
昼夜を問わず泳ぎ続けるカツオには、
疲労回復を助ける「カツオ・ペプチド」が豊富に含まれているそうですよ。
- 香辛料や香味野菜を利用する
香辛料や香味野菜には胃液の分泌を促進し、食欲を増進させる働きがあります。
こしょう、とうがらし、にんにく、カレ-粉、わさび、しょうが、みょうが、ねぎ、しその葉などを香辛料や薬味として使用しましょう。
- 少し塩辛くするのもよい
梅干し、漬物なども食欲がでるのでおススメです。
ただし、特に血圧の高い人は多く取り過ぎないように注意しましょう。
夏に摂りたい栄養素:タンパク質
タンパク質は、皮膚・筋肉・髪を作る材料になるだけでなく、ホルモンの調整に使われる重要な栄養素です。
身体の構成成分であるタンパク質が不足すると筋肉量が少なくなり、基礎代謝も低下してしまいます。
それだけでなく、タンパク質には生体内のさまざまな物質を輸送し貯蔵する役割があります。
そのため、タンパク質が不足すると体内の代謝がうまくいかなくなったり、
体内の機能調節がうまくいかなくなり、体液のバランスが崩れ、むくみを生じやすくなったりします。
風邪をひかずに夏を乗り切るという点からもタンパク質は重要です。
生体防御に関わる免疫物質もタンパク質の一種でできています。
身体の免疫機能を維持するためにもタンパク質は重要です。
では、どれくらいタンパク質をとればいいのでしょうか?
年代別タンパク質の平均推奨量
「日本人の食事摂取基準(2020)」男性
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ |
---|---|---|---|---|---|
18~29 | 50 | 65 | 75~115 | 86~133 | 99~153 |
30~49 | 50 | 65 | 75~115 | 88~135 | 99~153 |
50~64 | 50 | 65 | 77~110 | 91~130 | 103~148 |
65~74 | 50 | 60 | 77~103 | 90~120 | 103~148 |
75歳以上 | 50 | 60 | 68~90 | 79~105 |
「日本人の食事摂取基準(2020)」女性
年代別タンパク質の平均推奨量
年齢 | 推定平均必要量 | 推奨量 | 身体活動レベルⅠ | 身体活動レベルⅡ | 身体活動レベルⅢ |
---|---|---|---|---|---|
18~29 | 40 | 50 | 57~88 | 65~100 | 75~115 |
30~49 | 40 | 50 | 57~88 | 67~103 | 76~118 |
50~64 | 40 | 50 | 58~83 | 68~98 | 79~113 |
65~74 | 40 | 50 | 58~78 | 69~93 | 79~105 |
75歳以上 | 40 | 50 | 53~70 | 62~83 |
主な食材に含まれるタンパク質の量は次のようになります。
夏に摂りたい栄養素:ビタミンB1
ビタミンB1は「チアミン」とも呼ばれる水溶性のビタミンです。
「疲労回復のビタミン」と呼ばれ、糖質をエネルギーに変えるとともに、体内の老廃物の代謝を行い、疲労回復させてくれる働きがあります。
甘いものをよく食べる人、アルコールをとる人にとっては特に重要です。
よく運動をする人はエネルギー消費量も多いので、より多くのビタミンB1が必要になります。
ビタミンB1が不足すると倦怠感や食欲不振、むくみ、心肥大、手足のしびれといった症状が出てきます。
慢性的に不足した場合には、脚気や認知機能低下をきたすので注意が必要です。
参考)脚気
ビタミンB1の1日の摂取量のめやすは、
30歳〜49歳 男性 1.4mg / 女性 1.1mg(妊娠中は1.3mg)
です。
ビタミンB1は豚肉やうなぎ、レバー、大豆製品などに多く含まれています。
また、玄米、胚芽米、全粒粉パンなど胚芽の部分に多く含まれているため、精製されていない食材を選ぶのがポイントです。
水に溶けやすいので、汁ごと食べられる調理法もおすすめです。
また、ニンニクや玉ねぎに含まれる「アリシン」と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
夏に摂りたい栄養素:ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変換する働きがあり、
適切に摂取することで栄養の吸収率がアップして、
暑さに耐えられるエネルギーをつくります。
ビタミンB2は、「発育のビタミン」とも呼ばれ、
皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に関わります。
ビタミンB2が不足すると
口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎、角膜炎などを起こします。
また、成長期の子どもの場合は、ビタミンB2が不足すると成長障害を起こします。
エネルギー消費量が多い人ほどビタミンB2を必要とするので、活動量の多い子どもの場合、不足しないように注意する必要があります。
ビタミンB2の一日の推奨量は、2020年版食事摂取基準では、
女性では18~74歳で1.2mg、75歳以上で1.0mg、
男性では18~49歳で1.6mg、50~74歳で1.5mg、75歳以上で1.3mgです。
ビタミンB2は納豆やうなぎ、レバー、卵や緑黄色野菜、みそ、のりなどに豊富に含まれています。
夏に摂りたい栄養素:ビタミンC
ビタミンCはアスコルビン酸ともいわれています。
骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物で、
皮膚や傷の治癒に重要な役割を果たしています。
毛細血管・歯・軟骨などを正常に保つ働きがあるほか、
皮膚のメラニン色素の生成を抑え、日焼けを防ぐ作用があります。
それ以外にもストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める働きがあります。
また、心身のストレスをやわらげる効果もあるので、夏バテ解消におすすめです。
ビタミンCと活性酸素
ビタミンCは、強力な抗酸化物質としても知られています。
わたしたちのからだを構成する細胞は、呼吸により取り込んだ酸素を利用してエネルギー(ATP)を産生しています。
しかし、その過程で、酸素が還元され、副産物として「活性酸素種」が常に生じます。
活性酸素種は、病原菌の殺菌など、細胞にとって良い働きを持つ反面、
反応性が極めて高いため、からだの構成成分であるタンパク質や脂質、DNAを酸化してしまいます。
そして、活性酸素種は、糖尿病や動脈硬化、白内障など、多くの老化関連疾患を悪化させてしまいます。
ビタミンCは、強力な抗酸化物質であり、活性酸素種を取り除き、からだの酸化を防ぐ働きがあります。
特に脳は酸化ストレスに弱いとされているため、認知症予防にとっても重要と考えられています。
https://www.aging-regulation.jp/topics/topics-02.html
ビタミンCが不足すると
ビタミンCが不足するとコラーゲンが合成されないために、血管がもろくなり出血を起こします。
これが壊血病です。
壊血病のそのほかの症状としては、いらいらする、顔色が悪い、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。
ビタミンCを摂取しよう
ビタミンCはアセロラ、ケール、煎茶、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、そして果物に多く含まれています。
ビタミンB1と同様に水溶性なのでなるべく食品から摂取しましょう。
ヒトはビタミンCを体内で作れないため、成人では1日の推奨量が100mg(2020年版食事摂取基準)と設定されています。
また、通常の食事による過剰摂取の報告はないため、耐容上限量は定められていません。
ただし、ビタミンCの摂取量と吸収や体外排泄を総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、通常の食品以外の食品から1,000mg/日以上の量のビタミンCを摂取することは推奨できないとされています。
ちょっと長くなってきたので、今日はこの辺で。
夏を元気に過ごすには、
ご自身で自分の体の状態に気づくことや日ごろからの夏バテ対策が重要です。
今日お伝えしたことが参考になれば幸いです。
次回は、夏バテに効く栄養素の続きについてお伝えします。
では、よい一日をお過ごしください。
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