産業医というお仕事
2024/04/05
産業医というお仕事
実は、私、某運送業で産業医もしています。
こちらは、産業医を受け持っている会社からの下請けのような形態でのお仕事になります。
繁忙期の7月と12月を除き、毎月別の営業所へ向かう感じで、
ひと月に3日間半日ほど職場巡視と安全衛生会議の出席のために出かけています。
なじみがないという人もいると思うので、
「産業医」というお仕事についてご紹介していきたいと思います。
「産業医」というのは、医学に関する専門的な立場から、 職場で労働者の健康管理等を行う医師のことをいいます。
企業側には、従業員が50人を超えると産業医を選任する義務があります。
産業医というお仕事は、多岐にわたりますが
今回は毎月行っている衛生講話について少し触れていきたいと思います。
衛生講話というのは、産業医が、安全衛生委員会や職場において、健康管理や衛生管理を目的に、社員に向けて実施する研修のことです。
衛生講話は、企業の希望に応じて行うものです。
頻度・開催方法などが法律に定められているものではなく、健康教育の一環として企業・組織の自発的な要望により開催されます。
まずは「衛生講話とは何か」「うちの会社に必要な講話はどのようなものか」ということを企業と産業医とで確認することが必要になってきます。
その上で必要であれば、職場の課題に応じた衛生講話の目的や内容を考えるわけです。
今月はちょうど職員さんたちが健診の結果も受け取るタイミングということもあって、
健診を受けっぱなしにするのではなく、要再検・要精査となった方へ受診を促す内容となっています。
なんのために健診を受けるのかというのを考えると当たり前のことと思われるかもしれませんが、
職員さんたちは、自分で自発的に健診を受けているわけではなく、
上司に言われて(職場の決まりだから)半強制的に健診を受けているわけです。
そのためか、残念ながら健診を受けて結果が届いても封さえきらずにそのままという人が少なからずいるそうです。
中には、特定保健指導の対象となって日程調整して予約を入れても
連絡なしに予約に来ない人、なぜ受けないといけないのかとクレームを入れる人もいるそうです。
というわけで、ご自身の健康を守るために結果を確認しましょう、その指示に従いましょうという講話が必要になってくるわけです。
それぞれ個人的な思想があると思いますので、そこは尊重しないといけないところはあるかと思いますが、少なくともなぜ健診が必要なのか、なぜ結果に従うように促しているのかということを伝え、働く人たちの健康へ関心を持ってもらい、その理解を深めてもらう努力は企業側に求められています。