教科書的な理想通りの介護が本当によいのか

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教科書的な理想通りの介護が本当によいのか

2023/07/11

教科書的な理想通りの介護が本当によいのか

認知症の介護について

教科書的に理想的な方法がいろいろと書かれています。

とはいえ、

その理想的な介護は、本当に本人や家族にとって最善なのか?

と疑問に思うことも少なくありません。

実際に今までみてきた中で、

特に疑問に思った2つのケースについて紹介していきたいと思います。

Case 1. そのリハビリは本当に必要か

患者さまは、90代後半の女性

要介護5で、ベッド上寝たきりの方です。

主介護者は、お嫁さん。

ベッド上で寝たきり状態と思えないくらい皮膚状態は良く、

いつも清潔にされていて、

本人も穏やかに過ごされています。

ある時、ケアマネさんが変わって、

新しいケアマネさんから、

リハビリの導入と毎日車いすへ移乗させることを勧められました。

本人のADL維持を考えれば、

理想のプランかもしれません。

ただ、主介護者であるお嫁さんは、

この患者さま以外にもご自身の旦那さんの介護もされていました。

主介護者の夫も要介護3で、お二人の介護を一手に引き受けていたのです。

訪問診療をしている立場からすると

自宅療養を継続するためには

介護負担の軽減をメインにサービスを入れてほしい

いくら本人のADL維持のためとはいえ

介護負担を増やすような提案(車いすに移譲させる時間を作る)はしてほしくない

というのが本音でした。

実際、主介護者であるお嫁さんも

本人にとってはそのほうがいいのかもしれないけど

これ以上は難しいと漏らしていました。

結局は、理想的ではあるかもしれないけど

家族背景などから現実的ではない提案で、

主介護者さんの罪悪感をあおっただけのような気がします。

ケアマネさんの提案は、あくまで理想的な提案として

割り切って受け止められ、現状をお話してすり合わせができる方だったら

まだよかったのかもしれませんが...。

Case 2. そのトイレ訓練は夜間にまで必要か

患者さまは、80代女性

施設入所中の方です。

その施設はなるべく薬を使わず介護で対応するという方針でした。

そのため、失禁がみられると

お声掛けして、トイレ誘導をするということを行っています。

それによって、オムツをつけないで過ごせるというわけです。

問題に感じたのは、

それが夜間にも行われるということでした。

眠っているのに、

1~2時間おきにお声掛けしてトイレ誘導をするのです。

1日や2日ならともかく、毎日です。

しかも、トイレまで歩行できる方にはオムツをしないので、

夜間眠っているときに失敗すると

シーツ交換をするということになります。

数少ない夜勤のスタッフに迷惑をかけているということで

ご本人様はだんだんと落ち込むようになってきました。

夜ぐっすりと眠ることは体力面など考えても大切なので、

夜間のみオムツ着用で睡眠を優先させることをお勧めしましたが、

施設の方針ということで、施設長さんから却下されました。

あくまで、私の主観ですが、

理想通り介護が最適とは限らないのではないかと考えさせられるケースでした。

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