感情カウンセリングを癌の患者様にお勧めしたい理由 その2
2019/12/21
癌の患者さんにどうして感情カウンセリングが有効なのでしょうか?
癌患者さんの多くは告知の段階で自分がまさか癌であるとは思いません。
突然自分が癌であると聞き、多くの感情(不安、恐れ、悲しみ)が湧いてどうしていいかわからなくなることでしょう。
どうして自分がこんな目にあうのだと誰かに怒りをぶつけたくなるかもしれません。
これからの人生どうなるのかと先々起こることに不安になるかもしれません。
こんなに苦労してきたのに、今までの人生はなんだったのかと悲しくなるかもしれません。
感情に飲み込まれると、周囲の話が耳に入らず呆然としてしまうかもしれません。
しかし、これから向き合わなければならないことが目の前に次々に現れます。
治療の説明、治療の副作用、予後など話されることもあるかもしれません。
その度に新たな感情が湧き上がります。
話を聞いてもらいたい、この胸のうちを打ち明けたい、
そう思っても誰に話していいのかわからないかもしれません。
医師に話をしたくても聞いてもらえないこともあることでしょう。
実際の医療現場では心の領域に踏み込めないことが多いのです。
それは現場での時間的制約や医師の精神的余裕がないことが原因の一つかと感じます。
そうなると、一人取り残されたような気持ちになり、誰もわかってくれないように感じるかもしれません。
これはとても辛いことではないでしょうか?
最近になって病院内でもカウンセリングが行われるようになりましたが、まだまだ発展途上にあります。
私は消化器癌の治療にあたっていましたが、こうした感情を抱える患者さんを多く医療者側とトラブルになることもあったように感じます。
自分の思いを安心して話せる場所として、時間を設け、医療的な介入はせず自由に話たいことを話せるようにヘテロクリニックでは感情カウンセリングを始めました。
感情カウンセリングで自分のとらわれている感情を扱えるようになると、自分の思いを落ち着いて話すことができ、実際の医療現場で担当医とも感情的にならずに冷静に思いを伝えられるようになります。
自分らしい人生を送るために、自分にとって最良の道を一緒に歩めるようにしましょう。