【認知症の症状】周辺症状 不安

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【認知症の症状】周辺症状 不安

2024/10/14

【認知症の症状】周辺症状 不安

今日は認知症の周辺症状の一つ、「不安」が生じる背景となる認知症の人の喪失体験についてお伝えしていきます。

目次

    喪失体験

    人は、年齢を重ねていくといろいろな喪失体験をすることになります。

    定年になって、会社での役割や収入がなくなったり、

    親・兄弟や親しい友人などがなくなったり、

    若い時のような体力がなくなり、生きがいがなくなったり。

     

    認知症の方は、そういった高齢者になると誰もが経験するような喪失体験に加えて、

    記憶障害や見当識障害など、さまざまな認知機能低下が要因となって、

    喪失体験をすることになります。

     

    このような認知症の方が持つ喪失体験について知ることで、

    認知症の方の持つ不安に寄り添えるようになるかもしれません。

    認知症の方が、どのような喪失体験をしているのか、みていきましょう。

    認知症の人が経験する「喪失体験」は、記憶や能力の喪失に加え、自分自身のアイデンティティや大切なものを失っていくという心理的・感情的な側面を含みます。

    この喪失体験は、認知症の進行とともに次第に強まっていき、本人にとって大きな不安や混乱、悲しみを引き起こします。

    認知症の人が直面する主な喪失体験について説明します。

    1. 記憶の喪失

    認知症の人にとって、記憶の喪失は最も顕著な喪失体験の一つです。

    自分にとって重要な出来事や人、日々の生活の中での細かい情報を忘れてしまうことで、混乱や不安が生じます。

     

    • 短期記憶の喪失

    最近の出来事や会話の内容を忘れてしまい、日常生活で「何をしていたのか」「何を話していたのか」を思い出せなくなります。

    これは、認知症の初期段階で特に顕著です。

     

    • 長期記憶の喪失

    ​​​​​​​​​​​​​​認知症が進行してくると過去の大切な出来事や、家族、友人との関係に関する記憶も失われていきます。

    これにより、アイデンティティや自分がどこに属しているかという感覚を失い、自信や安心感が失われます。

    2. 自己認識やアイデンティティの喪失

    認知症が進行するにつれ、本人は自分自身が誰であるかという感覚が徐々に失われていきます。

    これにより、自己認識が不安定になり、自分をどのように位置づけるべきかがわからなくなることがあります。

     

    • 自己認識の喪失

    自分の名前や職業、家族との関係など、自分に関する基本的な情報が曖昧になり、自分が何者であるかがわからなくなります。

    「自分は誰なのか」「なぜここにいるのか」といった根本的な疑問が生じ、強い不安を引き起こします。

     

    • 役割や意味の喪失

    ​​​​​​​家族内や社会の中での役割を果たせなくなり、自分が周囲にとって役に立たないと感じることがあります。

    これにより、自己価値感が低下し、「自分はもう必要とされていない」という悲しみや虚しさを感じることがあります。

    3. 人間関係や社会的つながりの喪失

    認知症の進行により、家族や友人、社会とのつながりが次第に失われていきます。 

    これにより、孤独感や孤立感が増し、感情的な喪失感が強くなります。

     

    • 家族や友人との関係の変化

    認知症が進むと、家族や友人とのコミュニケーションが難しくなり、これまでの関係が変わっていきます。

    特に、家族の顔や名前を思い出せなくなることは、大きな喪失感を引き起こします。

     

    • 社会的つながりの喪失 

    ​​​​​​​認知症の人は、以前は普通に行っていた社会的な活動や趣味を続けることが難しくなり、社会とのつながりが途絶えていきます。 

    これにより、孤立感や疎外感が増し、喪失感が強まります。

    4. 能力や自立性の喪失

    認知症は、記憶だけでなく、身体的・精神的な能力にも影響を及ぼし、日常生活を送る上で必要な自立性を徐々に失っていきます。

     

    • 日常生活の喪失

    認知症の進行とともに買い物や料理、金銭管理、外出など、日常的な活動が困難になってきます。

    家族や介護者の助けが必要になると、自立性を失う喪失感が生じます。

    特に、長年自立して生活してきた人にとって、この体験は大きな挫折感を伴います。

     

    • 身体機能の低下

    ​​​​​​​認知症が進行することで、歩行や食事、排泄などの基本的な身体機能も失われていきます。

    これにより、介護者の助けなしでは生活できない状況に対する無力感や喪失感が強まります。

    5. 未来への希望や計画の喪失

    認知症により、未来に対する計画や希望が持てなくなることも、喪失体験の一つです。

    認知症の進行によって、自分が将来どのような生活を送るかが見えなり、精神的な不安や悲しみを引き起こします。

     

    • 未来への不安

    認知症の人は、病気が進行していくことに対する不安を抱えながら、

    「自分がどのように生きていくのか」

    「何を目指して生きるのか」

    という希望や目標を失っていきます。

    将来に対する計画や夢を持つことが難しくなり、無力感や絶望感を感じることが多くなります。

     

    • 自分の人生の終わりへの恐怖

    ​​​​​​​認知症の進行により、人生の終わりが現実的に迫っていることを自覚し、「自分の人生がこれで終わりに近づいている」という恐怖や悲しみを感じることがあります。

    6. 時間感覚の喪失

    認知症は、時間感覚にも影響を与えます。 

    過去、現在、未来という時間の流れを認識する力が失われ、日常生活で混乱や不安が生じます。

     

    • 現在と過去の混乱 

    認知症の人は、過去の出来事と現在の出来事が混同しやすくなります。

    たとえば、何十年も前の家に帰ろうとしたり、亡くなった家族を探そうとしたりします。

    このような混乱によって、時間に対する喪失感を強く感じます。

     

    • 日常生活のリズムの喪失

    ​​​​​​​時間感覚が乱れることで、日常の生活リズムを保つことが難しくなります。

    たとえば、昼夜の区別がつかなくなったり、食事や睡眠の時間がわからなくなることで、日常生活に対する不安や混乱が生じます。

    認知症の方は、さまざまなそうした体験から大きな不安をかかえています。

    まずはその気持ちなら寄り添ってあげましょう。


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    認知症については、こちらのブログ記事も参考にしてください。

     

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