糖尿病と睡眠の切っても切れない関係-2
2024/09/07
糖尿病と睡眠の切っても切れない関係-2
糖尿病は睡眠の質を悪化させる~閉塞性睡眠時無呼吸症候群~
こんにちは、ヘテロクリニックの木ノ本です。
9月最初の週末ですね。
皆さまはいかがお過ごしですか?
まだまだ暑い日が続くようですので、気をつけてお過ごしください。
さて、今日は昨日の話題の続きです。
糖尿病の方が睡眠障害をきたしやすい要因として、閉塞性睡眠時無呼吸症候群があることをお伝えしました。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして体の低酸素状態が発生する病気です。
この病気の方は、
1)周囲の方からいびきを指摘される
2)夜間の睡眠中によく目が覚める(息苦しくなって目覚めることもあります)
3)起床時の頭痛や体のだるい感じ
4)日中の眠気
などを経験します。
睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係
ある調査によると、睡眠時無呼吸症候群を患っていると、年齢・性別・ウエストまわりで補正しても、4年以内に糖尿病を発症するリスクは、1.62倍になるということがわかっています。
また、睡眠時無呼吸症候群の重症度が高い患者ほど、糖尿病を合併症として発症する可能性が高くなり、重症の睡眠時無呼吸症候群の約15%の方が糖尿病を合併していたとの報告もあります。
これらの調査結果から、睡眠時無呼吸症候群は糖尿病を発症させる重大な原因となっていることがうかがえます。
参考)Association of sleep apnea and type II diabetes: a population-based study. Reichmuth KJ, et al: Am J Respir Crit Care Med 2005; 172(12): 1590-1595.
両者の共通要因、肥満
糖尿病と睡眠時無呼吸症候群SASとに共通の要因の代表は肥満です。
糖尿病は生活習慣病の代表格であり、肥満があると糖尿病を発症しやすくなることはよく知られています。
そして、睡眠中に呼吸が止まってしまう代表的な原因は、空気の通り道である上気道が物理的に狭くなることです。
肥満のために首回りやあご、気道内部などに脂肪がたまると、空気の通り道を圧迫してしまい、睡眠時無呼吸症候群をきたします。
眠っている間に空気の通り道を圧迫するほどというとすごい肥満を想像するかもしれませんが、日本人はもともと顎が小さく、睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクが高いのです。つまり、欧米人と比べたときに肥満の程度としては低くても睡眠時無呼吸症候群を発症する可能性があるのです。
睡眠不足は血糖値を下げるホルモンインスリンの働きを鈍くする
血糖値を下げるはたらきを持つホルモン・インスリンは、睡眠不足が続くとはたらきが悪くなります。
糖尿病で睡眠の質が低下している患者では、睡眠が正常な患者に比べ、朝食前の血糖値が23%高く、空腹時インスリン値も48%高く、
糖尿病患者の中でも、睡眠の質が低下している人では正常な人に比べ、インスリン抵抗性が82%高かったとの報告があります。
※インスリン抵抗性:インスリンの効き具合
具体的には、膵臓から分泌されるホルモンの一種であるインスリンが、肝臓、脂肪組織、骨格筋といった末梢標的組織において、その機能が損なわれたり、弱まったり、機能を発揮できない状態を指しています。
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